日本国内の資料のうち、 障碍者向け資料が作られているものの割合

国立国会図書館サーチを利用した調査（2019年4月2日現在）。

障碍者向け資料については、同じ原本から異なる製作者が作ったものを重複して数えている。また、墨字の原本が存在しないものも数えている。

例えば、又吉直樹『火花』の障碍者向け録音資料（CD、テープ、デイジーを含む）は26件あるが、そのうち25件は文藝春秋社2015年の版を原本としたものであり、残りの1件は「芥川龍之介への手紙」を併録した2017年の文春文庫版を原本としている。

録音データが1つあれば、ダウンロードでもCDやテープへの変換・貸出でも利用可能なのだから、この録音図書のうちの24件を作る作業は、貴重な音訳能力の浪費だったと考えられる。その音訳能力が別の図書の音声化に使われていれば、利用者にとってアクセス可能な資料を24件増やせたはずだった。

以下に表示している障碍者向け資料件数の算出では、こういう重複分を差し引くことができなかったので、利用者にとって実際に有用な録音図書の件数より多めに出ている。

グラフ：

日本十進分類区分の国立国会図書館サーチ結果件数（2019年4月2日現在、数値は下記の表）から算出した、 障碍者向け資料件数の割合

表：

日本十進分類区分の国立国会図書館サーチ結果件数（2019年4月2日現在）